令和2年5月で彩世会の理事長に就任して4年が経ちました。

　この間にも超高齢化、多死化（我が国の年間死亡者は約139万人/令和1年）が急速に進んでいます。同時に認知症者は約360万人（軽度認知障害は約400万人）となっています。このような状況ですので、高齢者を迎え入れる介護施設、特に種々の有料老人施設の建設は超スピードで進んだ結果、介護者の不足が社会問題となりました。働く人がいないため、入居者を入れることが出来ない施設があちこちに見られるようになったのです。当法人も例にもれず、昨年（令和1年1月より1年間）は里塚地区にある地域密着型施設（入居定数29名）ではショートステイを受け入れられなくなった次第です（現在は受け入れ可能）。

　特別養護老人ホームは介護度Ⅲ以上の高齢者が入る施設という厚生労働省の方針は固定的になっています。それと同時に施設内で看取りを希望される方が増加しつつあり、当法人でも年間12，3人となっています。今後看取り数はより多くなることが見込まれます。

　今、社会福祉法人の在り方については、ガバナンス、経営の透明性、内部留保、公益活動などについて様々な議論が巻き起こっています。社会福祉法人が我が国の福祉に大きく貢献してきたことは紛れもない事実です。これらの議論は、地域の福祉向上、さらには地域福祉文化の醸成に関して大きな期待を寄せられ、リーダーシップを取るよう要請されていると考えます。現在重要な課題は、入居者の飲む薬の多さ、終末期の栄養補給、異常言動のある認知症者の介護などです。

　今後ともこれまでと変わりない入居者様にご満足いただけるケアを目指し、きめ細やかなサービス提供に努めます。

　また、地域の高齢者福祉の拠点として今まで以上に皆さまから信頼される施設となるよう職員一丸となって取り組んでまいります。

　引き続きご指導を賜りますようお願い申し上げます。