職員のつぶやき⑥「鎮魂と再生の物語」
趣味は読書と自負している相談員が、最近・過去に読んで気に
入っている本を「私的な読書感想文」としてご紹介します。今回
は漫画です。
『イヴの眠り』(全5巻) 吉田秋生 著、小学館
吉田秋生さんと言えば2015年に映画化もされた『海街diary』(全
9巻)も有名ですが、代表作といえばやはり『BANANA FISH』
(全20巻)だと思います。
『BANANA FISH』は累計発行部数1200万部:アッシュ・リン
クスが主人公の傑作ハード・ロマン、その『BANANA FISH』と
作品世界を一部共有する作品が2001年小学館漫画賞受賞作:有末静
と雨宮凛の双子の物語を描いたスーパーロマン『YASHA -夜叉-』
(全12巻)、その続編が『イヴの眠り』です。
『イヴの眠り』は副題が「YASHA NEXT GENERATION 」と記され
ており、『YASHA -夜叉-』の18年後の世界が描かれています。
今作の主人公は有末静の実娘:アリサ・クロサキですが、3作品に渡り
登場するシン・スウ・リンの活躍や、『YASHA -夜叉-』の主要人物で
あるケン・クロサキとルー・メイの過去エピソードが1巻目に盛り込ま
れており、全5巻とボリュームこそ少ないですが満足度は高いです。
ハードな描写も多く、『海街diary』で初めて著者の作品を読んだ方には
かなり衝撃的かもしれません。ですが緻密な世界観とキャラクター設定、
アクションとリアリティーを追求した物語、そしてハードな展開の中に
も人間愛があり、それこそが吉田秋生先生の真骨頂だと思います。
未読の方は『BANANA FISH』『YASHA -夜叉-』『イヴの眠り』と、
3作品連続で読んでみることをお勧めします。結局3作品の紹介となりま
したが…。以上、お勧めの漫画でした。ディスミス(解散)!
コスモス苑月寒 生活相談員