職員のつぶやき…②
2020-09-11
趣味は読書と自負している相談員が、最近・過去に読んで気に
入っている本を「私的な読書感想文」としてご紹介します。
『東京忌憚集』 村上春樹 著、新潮社
先日、著者の最新短編集『一人称単数』が発刊されたばかり
ですが、個人的に村上春樹氏の短編小説と言えば、この『東京
忌憚集』がやはり一番面白いのではないかと今回再認識してい
ます。両作に出演している品川猿の短編を読んで『東京忌憚集』
を懐かしんでいる読者も多いのではないでしょうか。
『一人称単数』も読みごたえはあったのですが、比較すると
『東京忌憚集』は収録されている短編全てが際立っているよう
に感じます。中でもサーファーの息子を喪くした母(サチ)の
人生を描く「ハナレイ・ベイ」という短編が、個人的に一番好き
です。短編小説だからこその面白さが詰まっているというか。
他にも、夜中に空腹を感じると無性にマックが食べたくなる短編集
『パン屋再襲撃』もお勧めですが、品川猿つながりという観点からも、
今は『東京忌憚集』がお勧めです。ハナレイ・ベイ。
コスモス苑月寒 生活相談員