職員のつぶやき⑮行く年や イエスにブッダ アマテラス
日本文化の特質を「その雑種性にある」と看過した
のは、現代最高の知性と謳われた故加藤周一でした。
さらに氏は、日本の文化は古いものに新しいものが
加わるだけで、決して交わったり統一されたりすること
は無く、ただ積み重なっていくだけと論じています。
そのことを痛感するのは、毎年の年末年始ですね。
師走の25日、イエスの誕生日を祝い、31日には仏陀が言う
煩悩を払う除夜の鐘を突き、明けて新年、春を寿ぐ天照に手
を合わせる。『古事記』『華厳経』『聖書』が混然と且つ整然
と並び立っています。
ですから、日本の無節操を嘆くのではなく、それらを何の不思
議もなく行う事こそが日本の伝統だと思えばいい。
とはいえ、その伝統も今年は様変わり。コロナ禍の中では、クリ
スマスは本当にごくごく小さな身内だけ。除夜の鐘突きは遠慮。
初詣は行かないのが賢明でしょう。私も初詣ならぬ先詣でに行って
きました。
海外ではワクチン接種が始まったとの報道もありますが、ここ日本
ではまだまだ先の長いコロナとの戦いが続きます。この一年、入居者様
・ご利用者様、またご家族の皆様には面会の制限など大変ご迷惑をおか
けしました。それでも誰一人陽性者が出ることなく年を終わろうとして
います。
手前味噌になってしまいますが、何とか無事に今年を終えられるのも、
日々感染のリスクと向かい合いながら、懸命に介護を続けてくれた職員
の努力に他ならないと、施設長として感じています。
来年こそ、このコロナが終息し皆が明るい笑顔で日常を取り戻せること
を願って止みません。令和2年、本当にお世話になりました。
I wish your Happy X’mas and A Happy New Year!!
コスモス苑 施設長