私的な読書感想文

2024-05-06

私事ですが最近朝活にハマってます。加齢と共に、休日でも早朝に

目覚めてしまうことが多いのですが、それを逆手に取り朝の7時過ぎ

から近所の喫茶店に出向き、モーニングメニューを食べながら読書

をしたり、日経新聞を読んだり、少し仕事をしたり・・・。一人きり

の至福の時間を享受しています。

 

さて、今回ご紹介する1冊は第169回芥川賞を受賞し、大きな話題にも

なった作品です。

 

『ハンチバック』 市川沙央 著、文藝春秋

 

先日高校生の息子から「これ気になるから読んでみたい」と言われたの

をきっかけに購入、当時芥川賞受賞時に強い関心を持ったもののまだ

未読だった為、早速読んだ感想を記します。

 

難病のミオチュプラー・ミオパチーを患う著者による本作は、重度障がい者

のリアルを映し出しながら、無駄のない洗練された文章で物語が進んでいき

ます。冒頭からかなり強烈な描写が描かれていますが、それ以上に鮮烈だった

のは「紙の本を憎む」という描写でした。

 

私は『スマホ脳』の影響もあり、電子書籍よりも「紙+文字」という黄金媒体

である紙の本を好みますが、それはもしかしたら強者の理論ではないのか・・・。

「福祉」とは何か・・・。思わず考えさせられました。

 

好き嫌いは分かれるかもしれませんが、小説として良い意味で刺激的な本作、

万人向けとは言い難いかもしれませんがお勧めです。

                         コスモス苑 連携室長

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